母が無理であることを説得していると、昔からのご近所さんがゴミ出しに通り掛かり、
「どうしたの?」と声をかけた。
母が「それが」と経緯を簡単に話した。
すると、ご近所さんはその母親に
「じゃあ、お宅の庭かベランダにご飯まいとけばいいじゃない。でも糞や鳥の声がうるさいからってこちらに文句は言うんじゃないわよ。お宅は風流じゃなくってただの常識はずれなんだから。そんなに鴬にこだわるなら鴬笛買ってお子さんに毎日耳元で吹いてもらったら?」
と一気に言ってくれた。
そして最後に
「本当の風流ってのは、どこかで聞こえる声を楽しむものよ」
それを聞いて、その親子はすぐに消えたそうだ。
母がお礼を言うと、ご近所さんは一言
「任せなさい。自分さんのお家は私たち古くからの近所で守るから」
うちはちょっと特殊な環境で、それを見られるのを売りにしたアパートやマンションが近所に建ち、最近引っ越して来る人が多い。
時々、勘違いして、色々とうちに言って来るのをご近所さんたちが心配して、対策を考えてくれたらしい。