すぐ後ろから若い女の子が爆笑する声が聞こえた(手叩き付き)。
振り向くと、私の後ろに並んでいた派手目なギャル2人(以下仮名Aちゃん・Bちゃん)が、腹抱えて大爆笑していた。(ちなみに二人ともモデルさんのような美人だった)
「ちょwww他人wwwww他人に命令wwwwwwwありえねwwwwwwww」
「日本語通じるとかwwwwwwそれおめえだしwwwwwwwwどんだけwwwwwww」
「やマジ意味わかんねえしwwwwwwてかマジどちらさまだしwwwwwwww」
箸が転んでも可笑しいお年頃のギャルたちは、およそこんな感じでとにかく大ウケ。
女性の表情がみるみる般若のように変わり、私からギャルたちにロックオン対象変更。
顔を引き攣らせながらギャルを睨みつけると、吐き捨てるように一言、
「下っ品な…親の顔が見てみたいわ」
どの面下げて親とか言ってんだよと私もさすがに頭にきて、
「あなたねえ!」と言いかけるとAちゃんが私を軽く手で制した。
その後の彼女たちが、かっこよすぎて痺れた。
Aちゃん「確かにうちらチャラいけど、うちの親はウチ(=私)が寒いとか文句言ってても寒いのはみんな一緒だから、お年寄りとかウチより辛いんだから、我慢しろって言うわけ。ズルとかしないの。絶対。親がそんなだからウチはあんたのことありえないっつってんの。」
Bちゃん「うちの親、ウチが人にもの頼んで頭も下げなかったら、マジ100%ぶん殴るけどねウチのこと。顔見たがるのは勝手だけど、あんたも超怒られるよマジで」
女性は顔真っ赤にして、眼球が飛び出るんじゃないかと思うような壮絶な表情で、メモくしゃくしゃに丸めてギャルたちに投げつけて、ガツガツと去って行った。
ギャルたちは自分たちのことそっちのけで、女性に向かって
「てめぇお姉さん(私のこと)に謝ってけよ!」と怒ってくれた(女性は無視して行ってしまったが)。
私のせいでイヤな思いさせちゃってごめんなさいね、と彼女たちに謝ると、
Aちゃん「え、お姉さん被害者なのに謝るとか意味わかんないし!」
Bちゃん「てかマジ頭おかしいすよねーあのババァ。気にすることないと思う」
と逆に口々に励まされてしまった。
彼女たちの後ろに並んでいたおばさま方も、
「あなたたちやるわねえ!」「いい親御さんなのねー」
「でももっと女の子らしく喋りなさい。てめえなんで言っちゃダメ!」
などと話しかけ、彼女たちは照れくさそうに笑っていた。