一人の、本当に見た目普通のサラリーマンの方がつかつかと近寄ってきた。
それで、無言でバンバンと残り3台の自転車をたてて、そのまま今度は4台とも邪魔にならない位置まで移動。
この間ずっと男性は無言。
そして一言
「これで元通りや、文句はないな」
4人組はムスッとしてたけど、男性の迫力に気圧されたのか、反論はできないまま、それでも不服そうに睨んでた。
男性が
「逆によかったな、自転車がこの子(娘)にぶつからなくて」
とダメ押し。
そしたら、4人組も渋々小さくだけどうなづいた
(それを思うと4人組もとことんタチ悪いdqnとかではなかったんでしょうね)
サラリーマンの方が「早くこの場を去れ」と言う風に手を進行先に指し示したので
「自転車倒して本当にごめんなさい」と謝ってその場を離れた
男性はちょっとだけその場に残って私たち親子が無事にその場を離れられるのを
見届けてくださってたようで、しばらくしたら歩き始めた。
男性が追い付いてくるのを待って「本当にありがとうございました」と
お礼を言いかけたら「別に。。たいしたことしてないから」と
不愛想に返事された(照れてる感じだった)。
「でも、本当に心細かったので助かりました」と重ねてお礼を言うと
「いやいや。じゃ、気を付けて」と
で、去り際に娘に向かって「ばいばい」と言って、一瞬だけど
初めて笑顔を見せてから去って行った。
めっちゃめちゃ、格好良かった。
「おやじ狩り」なんて言葉も流行ってた頃、
4人組がどんな相手かもわからないのに、赤の他人の私たちを
当たり前のようにかばってくれたドラマのような話でした。