「連絡先なんて知らないよね。
だって僕たちはテレパシーで会話が出来るからね。前世で縁があった人同士はテレパシーが使えるんだよね」
場が凍った。
ざわーって鳥肌が立って、座ったまま倒れそうになったのを夫が支えてくれた。
取り敢えずAさん夫妻には帰ってもらって、後日話し合いをしようってなった。
で、後日明らかになったこと。A夫さんには病名がついて、あのあとすぐに精神科に入院になった。
Aさんは離婚をしようか迷っているらしい。
今後私達家族には近づかないという念書は頂いた。
それから、A夫さんと私は厳密には初対面ではなかった。
5年前、私は契約社員で某会社の受付で働いていたんだけど、そこに営業でA夫さんは数回来たことがあって私を知っていたそうだ。
でも私は全然覚えていない。
私は妊娠して仕事を辞めたんだけど、何の偶然かAさんの子と私子が同じ幼稚園に入ってしまって、イベントの時私を見つけたA夫さんは
「5年間の思いが実った、運命だ!」
と感じたらしい。
Aさんは私を疑ったこと、私家に迷惑をかけたことを謝罪してくれて、お金を包んできたけれどそれは辞退して、そのお金で引っ越して貰うように頼んだ。
それから我が家も夫の転勤で遠くに引っ越しをしたので、取り敢えず安心してるとこ。
A夫さんはAさんに看病されながら、Aさん実家近くの病院に入院しているらしいと最近聞いた。