どこでもドアが欲しかった

年の離れた従兄弟が、父と同じ会社に務めている課長の子供に「お前のおじさん下っ端w」と言われ落ち込んでいたのだが…

time 2016/11/20

年の離れた従兄弟が、父と同じ会社に務めている課長の子供に「お前のおじさん下っ端w」と言われ落ち込んでいたのだが…

私には、十歳ほど年が離れた従妹がいる。
素直で利発でお手伝いも良くする子で、私も両親もその子を大変に可愛がっていた。 

そんなある日、当時小学生の従妹が両親のもとを訪れ、  
「おじさん、偉くないの?」 
と、目に涙を浮かべながら聞いたという。 
それだけではどういう意味か良く解らないので、詳しく話を聞いてみると、従妹にはAという友達がいるのだが、その子に、「お前のおじさん下っ端w」
と嘲笑されたそうだ。

私の父はとある一部上場企業に勤めていたが、Aパパも同じ会社で働いていた。
Aパパの職位は課長。
一部上場企業の本社勤務の課長を親に持っているというのがAの自慢の種。


あまりにも自慢を繰り返すし、時々他人の親を見下すような発言もするので、たまらなくなった従妹が、
「私のおじさんだって、同じところに勤めているよ。」
と反論したそうだが、数日後にAから上記の台詞を返されたという。

そこまで聞いて母が思い出したのが、Aママの存在である。
私の母は、Aママを時々近所のスーパーで見かける事があった。
ご近所さん情報で、Aパパが私の父の同僚であるとは知っていたが、夫の会社の関係を持ち出してどうこうする気の無い母は、Aママに話しかけるような事もなかった。
ところが、先日Aママが向こうから寄ってきて、父の事を根掘り葉掘り聞いてきたという。
おそらくは、従妹から聞いた話がAから伝わって、自ら「品定め」に来たのだろう。

特にAママがこだわったのが転勤の話。
その企業では、新卒はもれなく地方の営業所からスタートし、その後転勤する場所によって、本社に戻った後の出世の度合いが違う。
大都市勤務が続いた人ならば、その人は有望な出世株と判断できるわけだ。
ちなみに、私の父の転勤回数は0。
それを聞いて「転勤なし→転勤すらさせてもらえない人→いい年なのに使えない下っ端」とAママの脳内では変換されてしまったようだ。
それがAママからAに伝わって、Aの発言に繋がったのだろう。

しかし…

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