既に俺は言葉の通じない不法入国者と決定されていたようだ。
無理やり持ち物を調べられたが、残念ながら職場まで徒歩で向かう俺は財布すら持っていなかった。
ビザを出せやら登録証を出せやらさまざまな言葉で言われ、各国の文章を見せられたが俺はさっぱり分からなかった。
だって日本語で書いてないんだもん分かるわけがない。
(この茶番どうやって終わらせよっかなー)と考えていたけど思いつかなかったので、とりあえず立ち上がってドアの前まで言って「トイレどっち?」と聞いたときの警官のポカーンとした顔が忘れられない。