俺は家族に愛されずに育った。
8つ離れた兄には毎日殴られ、7つ離れた姉には毎日罵られ、実の母には常に無視され続けた。
だからクリスマスや正月だけじゃなく、自分の誕生日さえもした事がなくて、夏休みとか俺だけ三日間とか普通にご飯抜きとかあった。
『何で俺だけ…』
そんな思いが最高潮に達したのは、俺が家を出て数年経ってから。
今の嫁との結婚が決まり、嫁に
『絶対に挨拶はいきたい!』
と言われて、じゃあ形式だけ…と久し振りに実家に顔を出したのが間違いだった。
嫁を紹介した次の瞬間、たまたま来ていた兄の友達三人と兄の四人に嫁は乱暴された。
しかも俺の目の前で。
当の俺は一番デカイ奴に押さえ付けられて身動きができず、泣き叫ぶ嫁を同じように泣き叫びながら見てるだけだった。
ちなみに姉は見て笑ってたし、母は相変わらずの無関心。
(書き忘れましたが、父とは離婚済み)
その瞬間、俺の中で何かが弾けた…
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帰りの車の中で、後ろのシートで泣き続ける嫁に俺は言った。
『お前の事は俺が絶対に幸せにする。だから警察には言わんでくれ。警察じゃ害虫駆除は出来ん』
嫁が聞いていたのかはわからない。
でも嫁は警察には言わなかった。
俺は嫁に心の中で感謝してから、知り合いに片っ端から電話を掛けた。
その中に飲み屋で知り合った同性愛者が居て、俺の復讐計画に喜んで乗ってくれた。
最終的に俺の呼び掛けで8人の知り合いが集まった。
うち同性愛者三人の元ヤンや女に飢えてるのが5人。
俺はまずは元ヤンら5人に姉の方をお願いした。
そして同性愛者三人にも兄の方をお願いして、更に不能にしてくれるように頼んだ。
(同性愛者は元軍人さんだった)
俺は日時と場所を指定した。
兄と姉のバイト先も終わる時間も分かってたから。
数日後、まずは同性愛者さんから兄の写メが届いた。
これは見たくなかった…と思いながら次を見てみると兄をガンガン踏んでる写メがあり、ぐちゃぐちゃな泣き顔の兄を見てちょっとスッキリした。
その翌日くらいに元ヤンら5人のリーダー格から姉の写メが届いた。
思わず吐きそうになったが、心は晴々していた。
ここまでしたら兄や姉が訴えないのかって思うっしょ?
俺は二人は訴えない自信があった。
何故なら兄と姉のプライドはエベレストよりも高いから。
絶対に言うはずがない。
そして案の定、二人は警察には言わなかった。
でも家に引きこもりになり仕事も行かなくなったらしく、収入が完全に無くなった母は俺の元へお金を催促しにやって来た。
母は泣きながら事情を説明、俺は初めて知ったように驚く振りをしてそれを聞いていた。
「…と言うわけでお金がないの。あんたが家にお金を入れてくれない?」
こうなる事はわかってた。
だから俺は用意していた言葉を言ってやった。
「あいつらは因果応報だと思わない?俺を殴ったり貶し続けて、更に嫁まで傷つけた報いでしょ。だからあんたも報いを受けるべき。俺はあんたの願いを無視する。あんたが今まで俺にしてきたように」
その時絶望の色に染まった母の顔を今でも忘れない。
その後俺ら夫婦は違う県に引っ越したから今は家族がどうなってるからは知らない。
でも風の噂で兄は種が無くなり、姉は自傷行為を繰り返していると聞いた。
母の事は本当にわからない。
嫁はこの事を知らないし、今は元気な男の子を産んで幸せそうに笑っている。
やり過ぎたかな…って思う事はあるけど後悔はしてない。
俺だけならともかく、嫁に迄手を出した事が許せなかったから。