どこでもドアが欲しかった

残念な容姿なのに「私は他の人と違う!クールビューティ!」と思い込んでた私は…

time 2016/11/22

残念な容姿なのに「私は他の人と違う!クールビューティ!」と思い込んでた私は…

中二病全開のリア中時代。 
平均よりちょっと高身長で痩せてただけなのに、
『アテクシ他の人と違う!クールビューティ!』って思ってた。 
実際は天パで細目の残念な顔だったのに。

 「自分は宇宙で生まれて、超能力的なパワーが強くてハンターに追われて地球に来た。
だがかなり弱っていたので人間の卵に憑位して人間として産まれた。
宇宙生まれの姉妹がいて一緒に地球に逃げて来たが、
姉妹たちも別の卵にヒョウイした。
だからこの世のどこかに本当の姉妹がいる」
って妄想がお気に入りで、
「本当の姉様を探さなくちゃ」
と放課後は裏路地とか抜け道とかをひたすら歩いてた。

神社の裏からたんぼに続く畦道があり、その道は隣の市に繋がってた。
それを発見してから毎日そこを通り、隣の市から遠回りして帰宅してた。
もし誰かに見られても
『姉様だって私を探してる。この道は懐かしい感じがするの。きっと近くに姉様がいるわ』
って言い訳するつもりだったし、
むしろその関連の台詞を言いたくて仕方なかった。

いつまで経っても誰にも発見されなかったけど、隣の市の主婦が私をよく見かけてて不審に思ってたらしく、学校に連絡された。
先生に呼ばれて理由とか聞かれて、チャンス!と思って
「どこにもいないんです…でもきっと近くにいるんです!
姉さ…あ、むこうだって私を探してるはずなんです。
普通の人から見たら、そりゃ変わった子に見えると思います。
でも…許してください。
お母さんだって…知らないで育ててくれましたし…」

憂いを帯びた美少女が謎の台詞を淡々と…!年上にゃ興味ないけど先生も落ちたなコリャ。
と内心最悪な妄想してたら…

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