これで義姉・ウトメが気の弱い人なら、確かに怒鳴る義兄のいいなりになったかもしれない。
ただ残念ながら義姉もウトメも、そこまで優しくも弱くもなかった。
家事も何もしないで我侭しか言わないくせに、
人にやってもらっておいて、それにキレて怒鳴りちらすマスオ義兄の姿を見ながら義姉はそれを一笑した。
そして、義姉は
「旦那くん(義兄)が、そこまで私(義姉)の料理を気に入らないと言うなら仕方ないから」
と、言って次の日からは義兄の食事のみ義兄のリクエストどおりの内容にしたらしい。
その言葉どおり、次の日からの義兄の夕飯メニューは、
目玉焼き・味噌汁・キャベツサラダ・白米のみに変更。
(朝・昼はトメが作る和朝食&弁当なので全員が同じメニュー)
当然だが義兄以外の3人は、【義兄の好むメニューとは異なる普通のごはん】を食べた。
ある日は義姉・ウトメの夕飯のおかずは煮込みハンバーグ、義兄は目玉焼き。
別のある日は義姉・ウトメは天津飯、義兄には(ry
またある日は、義姉・ウトメは野菜天ぷら(ry
こんな感じ。
義兄のリクエストに答えたメニューを出す傍らで、義姉たちは好きなメニューを作って食っていた。
この夕飯には、義兄もさすがに1週間で音をあげて三人に謝罪。
しかし義姉いわく、【奴はまだ反省していない】という理由で更に義兄の夕飯のメイン料理=茹で玉子・卵焼き・スクランブルエッグ・目玉焼きの日替わりメニューに変更しての日々をさらに開始。
結果、義兄は10日ほどで発狂。
「ぅぼぉあぁぁぁ!」
「僕が悪かったから!もう好き嫌いも我が儘も言わないからゆるじでぇぇ!」
「今日からお皿も洗うし、お風呂掃除やゴミ出しもするから!おかずに煮物や野菜が出ても絶対にきちんと食べるからぁ!」
と、義姉たち+偶然義実家にいた別居の義理の弟(私夫)に泣き叫びながらスライディング土下座謝罪した。
その日の義兄用の茹で玉子を作る用意をしていた義姉には、
土下座しながら義兄は性格を改め、押し付けっぱなしだった家事もすると泣きながら約束。
こうして、義実家で暴君になりかけていた義兄への復讐は終結となりました。
この一件があり、
義兄は今では、家事や掃除やアイロンがけなど自分から率先して行う良き家庭のパパさんに劇的ビフォーアフター。
現在の義兄は、
夕食のメニューが、『豚汁+あんかけ焼きそば』『カレー+スープ』『うどん+かきたま汁』みたいな明らかな汁物二品メニューでも文句1つ言わない。
逆に喜んで食べているので、そこは安心してください。
なお、余談までにかつてのビフォー義兄を知る人からは、
「(義兄)くんは結婚して生まれ変わった」
と、義姉は大絶賛を受けています。
でも実際には、この復讐の一件は
「いくらなんでもかなりの強引なやり方だった」というのが義姉の感想。