どこでもドアが欲しかった

婚約者とデート中、信じられない光景が…

time 2016/11/22

婚約者とデート中、信じられない光景が…

数ヶ月前・・・俺はフィアンセとデートの約束をした。いつもの駐車場で待ち合わせる。
出入り口で女性が佇んでいた。フィアンセだ。俺の車に気付いた途端、笑顔になって俺を迎える。
フィアンセは嬉しそうに助手席に座った途端、俺の頬にキスをして腕を絡めて来た。愛おしい。
桜が綺麗な景勝地へドライブに行った。桜に包まれた山道を走る。良く整備されていて走りやすい。
フィアンセの嬉しそうな顔を見ているだけで幸せな気持ちになれる。
その時、「俺さん、少しスピードを落として頂けませんか?怖いです・・・」
俺は慌ててスピードを落とす。その時、気付いた。
俺にはこれから一生守らなければいけない人が居る。万が一のことがあれば悲しませてしまう。
深く反省をして、これからスピードを出すのは控えると心に誓った。

山頂の公園の桜回廊を二人で歩き、春の景色を満喫して帰途に付いた。
街に戻った頃には辺りは夕闇に包まれ、レストランで夕食を採り、フィアンセを待ち合わせの駐車場に送った。
降り際に、「楽しい時間は直ぐに過ぎますね・・・。」フィアンセが寂しそうに言う。
俺は「式が終わればいくらでも一緒に居られる。もう少しの辛抱だ。」と、元気づけた。
フィアンセは笑顔を取り戻し、俺は軽く手を振って車を出した。
ふとルームミラーを見ると、フィアンセは俺の車が見えなくなるまで見送ってくれていた。
「俺だって寂しいさ・・・」そう呟き、幹線道路をスピードは控えめで軽く流しながら、自宅マンションへと向かう。
右折ラインに入り信号待ちをしている時、タバコを口に咥え、お気に入りのジッポを取り出す。
「キンッ」心地良い音をたて蓋が開き、火を点ける。
煙を吸い込み一呼吸置いて吐き出す。心が落ち着く。

その時…

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