彼氏に・・・寄りかかって・・・・・・あれ?
ああっ、そうか!こいつ、俺の手を彼氏の手と勘違いしてんだ!
やべえ、どうしよう。うーん、俺が悪いんじゃないんだけど彼女に恥かかすのもちょっとかわいそうだなあ。
これ、気がついたら相当恥ずかしいよなあ。
仕方がない。少しずつ手をずらして逃げれば・・・
追ってきたよ。勘弁してくれ。
だから、スリスリすんなって。小指からめようとすんなよ!
あのなあ、彼氏の右手はつり革、左手はあんたの腰でしょうが。あんたの彼氏、何本手があるんだよ。
いや、別に焦らしてる訳じゃないから。本気で逃げてんだから。
いてっ。何ツネってんだよ!コラ!!
うわ、本格的に握りに来た。もうあかん、知らん。思い切り振りほどく。
彼女、ギョッとして目開く。
彼氏と二人でボソボソとしゃべってる。
彼氏「バカじゃねーの?」 おっしゃる通り
彼女「だってしょうがないじゃん」 しょうがなくねーよ
・・・ボソボソボソボソ・・・・
いいから謝れよ、と思った瞬間、彼氏がいきなり振り向いて
「どうもすみませんでした」
返事を用意してなかった俺はどう答えればいいのか判んなくなって、何故かパニックに。
「あっ、あ、いや、あの、えっと・・・はい!大丈夫です!」
この瞬間が一番の修羅場でした。