実はA子というのは既婚で、闘病中の旦那さんと絶賛ラブラブ中だった。
しかし、A子がある日、旦那さんから離婚してほしいと言われた。
理由は旦那さんの病気。
病気ゆえに働く事ができず、入院費がかさむばかりでA子に苦労かけてしまう。
A子はまだ20代だし次があるからと離婚を口にしたんだそうだ。
でもA子は旦那さんを愛しており、他の男性には目が行かない。
一緒に病気と戦って幸せになろうね!と離婚しなかった。
A子は会社で気の合う同僚に離婚するかも・・・と話していた。
どうやら元旦那は会社内でチラッと聞いた会話で妄想を爆発させたらしい。
「離婚」だけ聞いて都合よく他のセリフを聞かなかった元旦那は燃え上がった。
加えて、日頃誰にでも愛想の良かったらしいA子。
元旦那は
「離婚して俺と再婚を望んでいるんだ。なんて可愛らしい!」
と拗らせまくって、私に上記のセリフ。
勘助のテンプレを地で行くように、告白や交際をすっ飛ばしていたわけだ。
A子が離婚するわけでも元旦那を好きなわけでもないとわかっても、さっさと離婚したいと私に訴えてきたので大喜びで判を押した。
その後、元旦那は居づらくなったせいで退職。
何故か退職の恨みをA子の旦那さんに向けて病院に凸した。
受け付けなどには寄らず、ひたすら入院部屋に掲げられてるネームプレートを見て1時間かけて探し出し、旦那さんを見つけ出した。
カ〇ワ、欠陥品、アレも立たない女も満足させられない、離婚しろ離婚しろと罵詈雑言をぶつけまくったそうだ。
もちろん警察に通報されて終わり。警察に入られて途端に大人しくなった元旦那は、以降トラブルは起こしていない。
この件で私とA子は友人同士になった。A子側が面倒で自分に良からぬ妄想を繰り広げ、旦那に罵詈雑言を浴びせた男の元妻というフィルターもかけずに仲良くしてくれている。
お互い変な男に・・・から始まり、会話も趣味もやたらとウマが合う。
だがしかし、A子の旦那さんは残念ながら亡くなってしまった。亡くなってから数年たつが、再婚する気も恋愛する気も無いと言っていた。それだけ亡くなった旦那さんが好きなんだそうだ。