かつて私の住む地域には、伝説の泥ママAがいた。
詳細は割愛するけど、もうすごい悪い噂しか聞こえてこない人で、そのうち捕まるかも・・・ってよりも、そのうち消されるかも…っていう予想のほうが圧倒的だったんだけど、消されるより前に塀の向こうへ行ってしまわれた。
Aママがいなくなって、しばらくしてから近所にBさん一家が越してきた。
Bさんと私は子供同士が同じ幼稚園で、送り迎えのときに会ったらあいさつする程度。
特にこれと言った悪い噂も聞かず、すぐ周囲に溶け込んだし、私の印象では感じのいい人だった。
ところが、Bさん一家が越してきて一年ほど経つか経たないかのころ、急にBママさんの悪い噂が流れ始めた。
その噂というのが、
・Bママは浮気してる
・愛人してた
・堕胎歴が二桁の大台突破
・B子ちゃんたち(一男二女)は全部父親の違う子で今の旦那騙して、ちゃっかり専業主婦におさまってる
・中卒
・万引き常習犯 などなど。
さすがににわかには信じられないような話だけど、信じてしまう人もいたらしく、その頃はBさんに対する態度がそっけないというかどこかぎこちない人が多かった。
そのうち、Bさんに関する話を積極的に広めている人が、Cママとそのママ友たちを中心とするグループということが判明。
Cママグループというのは、すごく派手で気の強いCママを中心としてて、結構賑やかで勢いのあるグループなんだけど、何かとトラブルメーカーなところもあり、深くお付き合いすることを控えているお母さん方も多かった。
そのCママたちの言動がエスカレートしてきて、ついにBさんご本人がいる前でも、
「やっぱり育ちが悪い人って・・・・・ねぇ?」
と聞こえるように悪口を言ったり、Cグループの子どもたちがB子ちゃんを孤立させようとするなど、いじめの兆しが見え始めるようになってしまった。
しかし、なぜかBさん親子どこ吹く風。
それに苛立ちを募らせたのか、ある日ついにたまりかねたCママが、
「ちょっと待ちなさいよ。よくすました顔してこの街に住んでいられるよね。皆あんたのこと知って、陰で笑ってるんだからね、この恥知らず。」
みたいなことを言って、その場が一瞬にして凍りついてしまった。
「そうよ、何とか言いなさいよ」
とせきを切ったようにCママ友たちもBさんをなじり始めた。
ちょっとまあまあ落ち着いてと仲裁に他ママさんが入り、この際だからとCママ軍団とBさんが、なぜか我が家wで話し合いをすることになった。
Cママ軍団は
「こんな身持ちの悪い女とその子どもが一緒の園にいると思うとぞっとする。」
「母親のくせにこんなにふしだらな噂だらけで最低。自分の立場わかってんの?」
とか言ってBママ大糾弾。
するとBママ、
「知ってますよ。高校中退してて、浮気しまくり、愛人にもなったことがある、そして堕胎しまくり、 父親の違う子ばかり産んで今の旦那騙してる、万引き依存症って話でしょう?? でもひとつだけ間違ってますよね。その噂。」
何が違うというのか…