携帯の着信が鳴った。取ると、彼男が出た。
「ごめん」と彼男は真っ先に謝ってきた。当たり前か。
何故二股してしまったのかということは、もう忘れてしまったが、私子と付き合ったことで彼子の大切さに気づいたらしい。
それで、私子と別れてすぐプロポーズに至ったという、何とも言えない結末になったらしい。
私子は傷ついていたが、それ以上に彼子が気になって「彼子さんは大丈夫なのか?」と尋ねた。
すると、彼男が彼子に代わると言った。
彼子は真っ先に私子に謝ってきた。巻き込んで申し訳ない、そう何度も謝ってきた。
私子は彼子に、私は大丈夫、それより、彼子さんが一番つらいのだから謝らなくていい、と私子は伝えた。
しばらく話すと、彼子も元彼に酷い振られ方をして、傷ついていたところを彼男に支えてもらったこと、
こんな彼男だが年上の彼子と結婚してくれたこと、そして今も大好きなことを言い、離婚するつもりはないと涙ながらに話してくれた。
そして、きっと私子にも必ずいい人が現れる、と話してくれた。
最後に彼子は私子に「本当に彼男を愛してくれていたか?」と、聞いてきた。
私子は「もちろん、そうだった。」と答えると、彼子は「ありがとう。彼男は本当に幸せだね、こんな私子に愛してもらったんだもの」
と嗚咽をあげながら伝えてくれた。その姿に、私子も号泣した。
その後、また彼男と少し話をした。
彼男に彼子を絶対に幸せにすること。二度と彼子を傷つけるようなことをしないことを約束させ電話を切った。
今度、彼らのいる町に就職するかもしれないので、ふと今回のことを思い出した。
まさか21歳にして、妻だのなんだのを体験するとは思っていなかったw
でも、彼子がほんとにいい人で良かったなーと思う修羅場でした。