何年も前の彼岸のこと、当時20代半ばで両親と墓参りに行った。
雨の冷える日で車も大渋滞していた。
トイレには予め行っておいたがまた催してきてしまい、運転していた父にトイレに寄るように催促するがまったく寄ろうとしない。
「そこのコンビニ前に停めて」→父「俺はコンビニ嫌いだ」
「そこ曲がれば駅ロータリーだから駅トイレ行くから」
→「あの角電柱出てるからヤダ」
そうこうしてる間にどんどんコンビニもない住宅街に入っていく。
向かってる墓地にもトイレはなかったはず。
焦って「ほんとにピンチだ!」「大げさじゃなく漏れる!」
と騒ぐが全く他人事の父は余裕の表情のまま
「病院なら車寄せがあるから病院行こう」といい出す。
言い出したところから病院までも距離があったので青くなった。
なんとか耐えてやっと病院の車寄せに乗り付けて降りたら休日なので正面玄関は閉まっていた。
「裏口に回るしかない!!」と猛ダッシュ。
人がいたら押し退けていたことだろう。
鬼の形相で走る。
裏の通用口にはステーションワゴンのような大きな車が停まっていたが気にせず通過。
通用口に飛び込むと小さい子を抱いた夫婦がぎょっとした目でこちらを見ていたが、それも構わず通過。
トイレを発見して飛び込み間一髪間に合って用を足した。
すんでのところで間に合った喜びと安心感に思わず
ペーパーホルダーに描かれた蛇と杖の(医術の)マークに手を合わせて拝んでしまった。
その後…