若い頃、毎日9時始業で翌5時終業、会社に寝泊まりしてて睡眠時間3時間なんて生活を送ってた。
その頃はやっただけ残業代が出たし、やればやるだけ成果が出て評価の対象にもなるしで、仕事が楽しくて仕方なかったから、私以外にも数名がそんな感じの働き方をしてた。
それがあるとき、会社の役員が不祥事起こして逮捕→取引先が逃げてあっという間に倒産。
俺は他社からお誘いを受けていたのだけど、その転職先が隣県だったので引越しの準備しなきゃなぁと思いながら帰宅したまでは記憶がある。
気がついたら病院。
過労で内臓がぼろぼろだったのと、精神的に張りつめていたものがぷつりと切れたせいで倒れたらしい。
玄関の外でカギを握ったまま倒れていたので、隣の人が発見して通報してくれたとのこと。
2日間意識不明だったと言われた。
そこで医者と色々話をしていて、恐るべきことが判明した。
それは…
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俺の意識としては
「就職して2年くらい、その会社が倒産して2日くらい」
と思っていたんだけど、実際には就職して5年たっていた(倒産してから2日というのはあってる)。
自分の中では、連綿と続いている記憶のはずなんだけど、実際の経過よりもぎゅっと圧縮して覚えている状態らしい。
要は、忙しすぎて時間がたつのに気付かなかった!の強烈なもの・・・ということだとか。
頭がパンクしないように無意識に記憶を圧縮しているのではないか、と医者が言っていた。
本当に不思議だと思うのは、自分の年齢も生年月日も就職した年月日も覚えているので、そこを起点にして
「今自分は何歳、就職して何年」
というのを考えればきちんとわかるはずなのに、自分の記憶だけを頼りにすれば、
就職して5年たっていていても、自分の中には2年程度の記憶しかないということ。
入社式のことも覚えているし、社内研修のことも、旅行のことも覚えているし、何回もお正月を迎えたのも記憶してる。
だけど5年分の記憶と言われたら「?」だし、何度お正月が来ようと2年分としか認識できなかった。
その後、病院でカウンセリングを受けながら、転職先でまともな働き方をしているうちに時間感覚はまともになった。
だけど当時のことを思い出すと、今でもやっぱり2年間だとしか思えない。