
残念ながらお腹の中で育たなかった。心音が聞こえなくなった。
さすがにもう諦めるだろうと思っていたが、嫁の心は真逆に走った。
「これで妊娠できることは分かった。絶対今度は上手くいく」と。
残っていた凍結セイシは2本。2回分。
その2回が失敗に終わった時、再び「出してくれ」と言われた。
俺は拒否した。「簡単なことじゃない、出すだけじゃない」と言われて
俺の中で何かが崩れた。
顔を合わせると「お願いだから、迷惑はかけないから」と言われる。
家に帰るのが嫌になった。
俺の結婚生活ってなんだったんだろう。
このままいつまでも貯金もままならない経済状態で老後を迎える不安も正直ある。
多分嫁にはあまり貯金もない。俺には親から相続した金が多少はある。
もうこれ以上は無理だ。
そう思って離婚を切り出した。
泣き叫び、手あたり次第に物を投げつけてきた。
割れて飛んできた茶碗の欠片で顎を切った。
血を見て驚いて静かになったが「俺の気持ちは変わらん」と言ったら
あれからずっと部屋に籠っている。何を考えてるのかわからん。
もう疲れた。解放してくれ。