「あなた、待って違う」
という嫁の言葉も耳に入らずに、どう帰ったのか分からないまま、家に着き荷物をまとめて、すぐに弟の家に転がり込んで、その日のうちに離婚届を提出した。
嫁といた男は、会社の上司で営業の帰りにホテルに無理に誘われているところで、
上司は、俺を第3者だと思い、恥ずかしさもあってそう言ったらしい。
嫁は、すぐに会社に戻り役員に報告した、
取り調べの結果、上司は複数不倫関係がある事が分かり大きな問題となった。
嫁は離婚届けが出されたことがわかると俺の職場まで会いに来たが、
週末に上司嫁の弁護士から召集を受けていたので、
関係者を集めて話し合う場をあるから待てと言って帰らせた。
嫁の上司は、3人の女と浮気をしていたらしく、
俺が行った時間には、その女たちとの話は終わっていた。
上司、上司嫁、俺、嫁、弁護士とで話し合いが始まった。
上司弁護士から俺に20万の慰謝料の支払いを提案された。
額がかなり少ないのは、未遂で終わって何もなかったので、
これでも多い方だと言われた。
「離婚成立しているので、早く縁切りたいのでそれで了承したい」
と答えた。
上司嫁が
「奥さんは被害者で何も悪くない、未遂で終わっている、離婚は考えてあげて」
俺は、過去のトラウマの話、嫁と上司のホテル前のやり取りと上司の言葉でトラウマが再発したことを説明し、
すでに離婚届は受理されていることも説明した。
その後、何度も嫁と上司嫁からは復縁の電話や手紙があった。
上司が、すぐに転勤させられて上司嫁からの連絡はなくなった。
その間も、元嫁は住んでいた家に一人でいて仕事に行っていた。
元嫁の両親から元嫁が自殺未遂したって連絡が来た。
病院に行くと痩せてベッドで寝ている元嫁がいた。
顔をこっちに向けて泣いていたので、思わず
「何やっているの、早く体治せ、先に家で待ってるから」
元嫁が号泣して、頷く。
次の日、家に戻り、その次の日に元嫁が戻ってきたので、一緒に婚姻届を出して2ヶ月たった。
前以上に甘えてくる嫁に手を焼きながら、子供でもいたらどうなるかなと考えている。