昔嫌いな人がいた。
元の理由はあったはずだがとにかく何をするにもあの人の行動一つ一つ全てが目について腹が立った。
わざわざ色々なSNSで暇があればあの人の監視をしては、後悔し、イラついていた。
寝ても覚めてもあの人のことを考え、ヤツに関連すること
(好きなものとか言ってた言葉とか些細なものが多かった)
が日常で起こると体調を崩しトイレで吐いていたほどに嫌いだった。
あの頃の私の内面は何か精神の病だったのではと思う反面、表向きでは普段よりずっと行動的で勉強も部活も人間関係もすごく良好だった。
無理だと言われていた志望大学にも受かった。
それこそあの人を嫌う前より私は人としてできた人になっていた。
話は変わるが私は明晰夢を見るタイプの人間で、その時期の夢はその人のことを見ることがほとんどだったのだが大抵それが夢だとわかっていた。
その日も私は夢でその人の家の前にいた。
手袋をして大きい日本家屋に正面から当たり前のように侵入し、やけにきしむ階段を上がり二階の大部屋の襖を開けると驚いた顔したヤツがいた。
大きな布のようなものを投げつけ、その上からハンマーで殴った。何度も。
その後も見たはずだが覚えてない。
起きた時には普段と変わらず、変な夢だったな、くらいにしか思わなかった。
でもなんだかさっぱりした。
その日からパッタリとSNSに興味を失いその時期の人間関係を放棄し、勉学に励んだ。
その後…