松岡修三ばりに偉いさんを励ましまくった。
「大丈夫ですよ!奥さまは寂しいから拗ねてるんですよ!愛があるからですよ! 男なんだから、そこで押せ押せですよ!」
とかなんとか2件目として連れて行かれた静かなバー(?)で大声出しまくった。
ちなみに、私は下戸なので酒は一滴も飲んでない。
偉いさんはあきらめて何事もなくその日は終了。
おごってもらっただけ。
翌日、私はその話を職場でしまくった。
こんなドラマとか小説みたいなことあるんだ!と衝撃だったので。
あと私はデブスなので、20代前半の女というだけで、偉いおっさんがあんなに必死になるんだ、ということも驚きだった。
で、結果、偉いさんと、私の直属の上司が飛ばされた。
直属の上司は、不倫のあっせんをしていたそうです。
いろいろ前科はあったけど、被害者がみんな泣き寝入りだったので騒ぎにならなかっただけだとか。
私も、契約更新してもらえなかったけども、事務に向いていないことを痛感したので職業訓練でしょぼいながらも資格を取って専門職寄りの再就職をした。
偉い人と直属の上司の手口は、上司が「頭が弱く仕事のできない後ろ盾のない若い女」を選んで、偉い人に紹介。
偉い人がその女を誘って、やんわり「断ったら首だぞ」
(そういうキーワードは出さないのに、匂わせるのがうまかった)
と言って出張用に取ってるホテルにお持ち帰り。というのが常套手段。
ところが、私が頭が弱すぎて、後先考えずにペラペラしゃべりまくったので悪事が露呈したらしい。
「後ろ盾のない」ってのは、花嫁修業で入ってきた上層部の人の令嬢ではない、ってことなんだけど、直属の上司にはやたらとしつこく「誰の紹介で入ったの?」って聞かれたんだよね。
そのたびに、姉です、と答えていたんだけど「この女の姉=臨時職員だろ=口は塞げる」と思ったらしい。
姉、と書いたが歳が離れていて、当時その出張所を統括する省庁の人間だった。
その事件後に、どうしてお姉さんのことを教えてくれなかったんだ!と上司が発狂してわかった。
よく考えたら修羅場だよね、と思った。
ついていかないほど頭が弱くて良かった。