その男たちは私を取り囲み、妻にちょっかいを出し始めた。
我慢ができず取っ組み合いに。
しかし多勢に無勢。私は血まみれになりながらも、ひとりはぶっ潰した。
そこに現地の人たちがようやく集まり、子供を助けると、やつらは一目散に
「うぃあ ザパネーズ!」
と叫びながら去っていった。
私は、悔しくて悔しくて涙が出てきた。
つたない英語で半泣きで助けてくれた彼らに
「彼らは日本人じゃない・・・わかってくれ」
と何度も繰り返した。
すると、現地人の若い男が私の肩をポンとたたきやさしい笑顔で、片言の日本語でこういった。
「だいじょうぶ。日本人があんなことをしないのをみんな知っている。」
泣いた。