まず、絵をビリビリに破いてしまったおばちゃん。
これは近所のいわゆる「ボス」だったらしい。
ボスの子が例の「外でできた友達」のひとりだったらしく、
ボスがあるとき「うちの子が知らない所の子と遊んでる」「あれはどこの子だ」となり、
しばらく観察していると、普段は絵ばかりを描いているなんだか不気味な子(おばちゃん視点で)
「ああ言うのと付き合っちゃいけません」
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公園なり河川敷なり、いつもいる
↓
子どもたちが安全に遊べない
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抗議(スケッチブック破壊)
↓
家にも抗議(スケッチブック返却)
このような流れがあったことをいろんな証言から知った。
当時自分があまりにも怯えていたため、親が自分を抜きで謝罪なりを進めていたので、
当時自分の把握してることは少なかった。
ボスの監視下でなければ友達ともふつうにまた遊ぶようになっていたし。
おばちゃん事件の恐怖が薄れていくのと比例するように、絵への興味も失われていったので、
中学に入る頃には全く描かなくなっていた。
美術の授業も適当に、宿題が出ても適当、あるいは拒否していたので美術の成績だけ散々。
実家からスケッチブックの一部が見つかったときは驚いた。
手前味噌ながら、今では絶対に描けないレベルの絵もチラホラあったから。
放置子、という用語を知ったのはほんの数年前。
それがどれだけ疎まれているかを知ったのもね。
当時でこそおばちゃんの方が異常にしか見えなかったけど、
そう考えたなら、確かに絶景でも何でもない町の風景をただただ描いてるこどもがいたら不気味かも知れないな、と今でなら多少わかるかも知れない。