完全にブチ切れた。
自分の軽トラに積んでいた、趣味の畑で使ってるシャベルを持ち出して、そのDQNカーのタイヤを突き刺した。
バーン!って音がしたかと思ったら、今度はボンネットに飛び乗ってフロントガラスを突き破った。
「とっとと車から降りろ!でなきゃ今すぐこいつで叩き斬ってやる!!」と宣言。
「ごめんなざい!○さないで下ざい!お願いじまず!○ざないで下さい!」と文字通り必死で命乞い。
助手席に座ってた女は狂ったみたいに泣き叫んでた(微妙にチビってたっぽい)。
その間、他のDQNは親父や俺、近所の人が睨みを効かせ…と言いたい所だが、こっちも連中も、しばらく呆然として動けなかった。
それぐらいあの時の爺ちゃんは迫力があった。
我に返った親父が爺ちゃんにとりあえずボンネットから降りるように言っても、
「うるさい!お前は引っ込んでろ!」
と全く耳を貸さず、結局近所の人の110番を受けたパトカーが到着するまでDQNカーの上でシャベルを構えていた。
当然、DQN達と一緒に爺ちゃんも連行されてしまったが、事件が爺ちゃんの敷地内で起きたことや、
先にDQNの方が明らかに危険な運転で婆ちゃんに怪我をさせた事もあって、刑事的には厳重注意で済んだらしい。
壊したDQNカーの修理費については、「お前(俺のこと)は金の事なんか気にせんでいい」と教えてくれなかった。
一応、いくらか払うことになったんじゃないかと思うが、分からない。
ちなみに爺ちゃんは別に元軍人でも何でもない、只の商人。
戦時中に徴兵検査は受けたものの、体が弱くて合格しなかったらしい。