姉の武勇伝。
当時、大学生の姉とアパート借りて一緒に住んでた。
治安は良かった筈なんだけど、ある日の夜中、アパートの前の道路で大騒ぎする集団が。
ベランダからのぞくと、二十代と思しき男女が7人くらいと三歳前後の子供が5人程、道路の真ん中で運動会を繰り広げてた。
大人の馬鹿でかい声と、子供の超音波なキャーキャー声が、真夜中だもんでかなり響く。
あまりの五月蝿さに、眠りの浅い私はともかく、爆睡型の姉も目が覚めた。
睡眠を邪魔されるのが死ぬほど嫌いな姉が、
「馬鹿共に注意してくる」と一言。
私は、大人数で気が大きくなってる相手に危険だ!と止めたものの、姉はもくもくと準備を始めた。
バイト用の黒髪ウイッグをかぶり、わざとボサボサ気味に、目の下にシャドウで隈を作り眼鏡装着、毛玉のついたトレーナーにヨレヨレジャージをはいて出陣。
私は念のため隠れて110番の準備。
アパートを出た姉は、1番近くに居た男におどおどした演技をしつつ声を掛けた。
姉「あ、あのすみません。」
男1「あ?」
姉「すみません、少し声が大きいので静かにしてもらえませんか?」
男1「はぁ?」
男2「どうしたー?」
男1「なんか、静かにしろとか言われた」
女1「はぁ?ウザッ」
すると姉は…