どこでもドアが欲しかった

書店で勤務してたら女性が「買い取りやってると聞いたのですが」と大量に持ってきた。するとその後…

time 2016/12/09

書店で勤務してたら女性が「買い取りやってると聞いたのですが」と大量に持ってきた。するとその後…

「ババア!てめぇ、何、他人のものを持ってってんだよ」 
と男性が怒鳴りながらカウンターに走って来た。 
それに「黙りなさい!」と一喝すると
「分かりました。それで結構です」と女性。 
「役に立たない本やCDに現を抜かしてないで仕事見つけなさい」と男性に言う。 

恐る恐る 
「それでこちらは買い取り不能でして」 
とできないものを見せると
「じゃあ処分で」とあっさり。 
豪華版モーニング娘。初代メンバーの写真集もその中にはあった。 
「ファンにはたまらないよね」 
と店奥で同僚が言っていたが、男性も(以下、会話の内容から息子とします)ファンだったようだ。 
「ふざけんなよ!処分って何だよ!」 
そう言ってそれを引ったくろうとする手を女性がばしんと叩いた。 
「生きていくのに何の価値もないでしょ。そんなに嫌なら今すぐこれ全部を買ったお金を渡しなさい。全部自分じゃ買ってないのに甘えたことを言うんじゃない」 
女性の息子への言葉と私への言葉のあまりの温度の違いが。
「ぶっ●すぞ!」 
と息子が言えば 
「そんな勇気もないくせに、何を偉そうに」 
と笑ってもいた。

宥める訳にもいかず、親子ゲンカにおろおろしていると
「あの~」と別の男性が話し掛けて来た。 
「それ(写真集)いらないなら僕が200円で買います」 
それに女性は 
「200円なんてもったいない。持って行って下さい」 
「それじゃあ悪いですよ」 
「ゴミに価値なんてありません。どうぞ」 
その言葉に息子はがなっていたが、完全無視で写真集は男性の手に。 
最後まで「200円払う」と言っていたのを固辞していた。 
そしてお金を受け取ると女性は息子に 
「お店の迷惑になるからさっさと出る。そのままどこへなりと消えなさい」 
そう言うとさっさと店を出て行った。 
その後を顔面蒼白で追う息子…。 

店長や他の店員はもしもに備えていたが、息子はがなるだけでこっちに手出しは一切なし。 
しかし最後、笑みを浮かべての息子への言葉に後から来たお客がぽつりと 
「よほど我慢してたんだな・・」 
と呟いていた 。

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