夜はそのお客さんの寝床に行って夜伽するように言われて、辛抱たまらずとび出して来たところを自分らが拾ったと言う訳らしい。
彼女はうんうんとうなずいて泣きながら拾った人の背を撫でていた。
拾った人の実家に着いて彼女が抱きかかえて家に連れて行ったら家人全員が出てきて抱き合って泣いたそうだ。
彼女は大反対を押し切って嫁いだので帰れないと思っていたそうだが、連絡がとれないで家族は心配していたそうだ。
お礼を言われてお金を渡されそうになり固辞をして、連絡先だけ交換して帰ってきた。
彼女(現妻)は、お姉さんが農家に嫁に行きいびられまくって心身壊して戻って来たので、ああいう人は放っておけなかったそうだ。
その後拾った人は弁護士を入れ無事離婚できたそうだ。
夜伽の話は仕事先でこの地区の最上のもてなしであると聞いた。
普通は未婚の娘を差し出すのだがそこは嫁を差し出すのだそうだ。
子供が出来たらどうするんだろうと思ったよ。
転勤でそこからは離れたが、そんな土地柄がいまだにあるらしい。