その後の顛末は、聞いたところではその日のうちに男子の所業は彼の家に伝わった。
この家がお父さんは警察官、お母さんは礼法の先生、と礼儀作法にかなり厳しい家だった。
我が子のしたことに特に父親が激怒し、息子の頭を自分の手で剃刀で丸坊主にした後、まずは私の家に家族全員でお詫びに来た。
母は色々言いたかったが、
「ともかくはケガをした女の子の家に行くように、うちはその後だ」と言ったらしい。
(男子の両親と懇意だったので、人柄はよく知っている。息子をそのままにしないと思っていたようだ)
女の子のお母さんは
「まぁ、子供のしたことだし。娘も元気なようだから」と言っていたらしい。
(男子母が改めてうちにお詫びに来て話した)
「でも、先輩に対して礼儀は必要でしょう。うちの子よりもその先輩にあやまってほしい」
それがそのお母さんからのお叱りだったとか。
それから男子たちの私に対する色々なことは収まり、私も何とか受験に耐えた。
しかし卒業式の日、まだ目の上が青黒くなっていた女の子から
「先輩!守ってあげられなくてすいません」
と言われた時は泣いてしまった。
私こそ守ってあげられなくてごめん、と泣いてしまった