ドアチェーンが突っ張って、ガッチャン!!と大きな音がした。
それで我に返って悲鳴を上げた。
同時に階段を駆け下りていく音が聞こえた。
私は玄関にへたり込んでしまって、しばらく震えてた。
どれぐらいそのままだったのか覚えてない。
結構長いこと震えてたと思う。
気が付いたら泣いてもいた。
腰が抜けるってああいう状態を言うのかな。
とにかく立てなくて、這うようにしてリビングの電話の所に行って、夫の会社にすぐ自宅に電話するように伝言を頼んだ。
後で聞いたところによると、電話に出た事務員さんが私の声の様子でただ事ではないと察したようで、必死で旦那を探してくれたらしい。
当時は携帯があまり普及してなくて、旦那も持ってなかったし。
かかってきた旦那の声を聞いたらワンワン泣いてしまった。
だって本当に怖かったから。
旦那はその後、私の実家に連絡して母に誰か寄越してくれるように頼んでくれたらしい。
姉が泊まりにきてくれた。
管理会社にも連絡してくれて、とにかくすぐに鍵を交換してくれるよう手配してくれた。
出張から帰ってきてから、旦那は管理会社に怒鳴り込んだ。
間違いなく鍵を使って開けたわけだから、管理会社がマスターキーみたいなものを持ってて侵入しようとしたのでなければ、鍵交換費を入居時に払わされたのに交換していないことになる。
どっちにしても管理会社の責任は大きい。