交通刑務所にいるトラック運転手から時折手紙が届きます。謝罪をつづ
った言葉ばかりですが、行間から彼もまた苦しんでいる様子が伺えます。
人の命を奪った自分が生きていってもいいのだろうか、と。また、彼の
婚約者から毎月手紙とともに金が送付されてます。最初は受け取りを拒
否しようと思いましたが、考えを変えて新しく作った口座に預金してい
ます。彼が出所したらファイルに綴じた彼の手紙とともに通帳を渡すつ
もりです。そして「これらのものを背負いつつ、きちんと人生を歩んで
欲しい」と伝えるつもりです。
私たち親子もまた大事な家族を失った事実を背負って生きていきます。
私は父親として、社会人として一生懸命な背中を息子に見せ、息子の目
に写る私は誰よりも強い男であるべく努めたいと思っております。家内
が安心できるように。二人で頑張っていきます。
だから時々泣くことは許して欲しい。誰にも分からないようにするから。