そのうち母が
「どうしても式場で挙げるなら、
一緒に私と父の結婚式もやり直したい!
そうでなければ認めない!」
と言い出した。
新郎新婦の隣で新郎父と新郎母も一緒に
三々九度やってるとか聞いたことない、
馬鹿なこと言うもんじゃない!と
家族全員で説得するも泣きに泣いて
「どうして私は我慢したのに息子夫婦はちゃんとした結婚式ができるの!」
と父に食って掛かり、父は答えられずに黙りこくる。
下兄の
「そんなに結婚式したいなら今から
父さんと母さんだけでやればいいじゃん、兄ちゃん巻き込むな」
という発言には父が激しく反対した。
もう60も過ぎて今更婚礼衣装など着れるか
バカバカしい、やり直す必要なんぞない、と。
それを聞いて母がさらに発狂。
『やり直す』のはあんただけだ!
私にとっては初めての結婚式だ!
あんなのが結婚式だったなんて絶対認めない!と。
父はだんまり。
母としては「1組も2組も変わらないじゃない
!夢と諦めていた花嫁衣装を着るチャンス!」と思ったらしく
どんなに兄弟全員が非常識と言っても聞かない。
揉めるだけ揉めて解決策が見つからないままお開きとなってしまった。
母はその後も毎日のように式場にキャンセルの電話
(式場の人が全部「新郎様に確認の上手配致します」でスルーしてくれたらしい)、