私の実家は超田舎の盆地。
電車もなければバスもない。
買い物は山を越えた先の街に行かなければならない。
ご近所付き合いは平気で上がり込むのが当たり前。
だから基本的に玄関、窓に鍵をかけるという習慣がなかった。
これが修羅場を招く起爆剤になる。
高校の夏休みその日は私以外は出払っていた。
特にすることもなく日当たりのいい部屋で昼寝をしていた。
気持ちよく寝ていると体に違和感を感じ目を覚ますと、見知らぬおっさんが私に覆いかぶさるように荒い息を吐いて、服を脱がそうとしていた。
「え?誰?何?」
と頭を過ぎったと同時に叫んだ。
もうそれはそれは喉が破裂するんじゃなかろうかってくらい叫んだ直後、物凄い怒声と共におっさんが吹っ飛んだ。
何が何だか分からない状態で、目の前に現れた大きな影に抱えられ救出された。
助けてくれたのは向かい家(と言ってもそれなりに離れてる)の絶賛片思い中のお兄さん。
抱き抱えられる中で事態を把握して助けられた安堵感から大泣き。
その後ぞろぞろとお兄さん家族が駆けつけた。
お兄さんが事態を説明して通報、私の家族に電話。
あとはお兄さん家族が対応してくれて、近所の方も気が付いたのかゾロゾロと来た。
でだ。
私の修羅場は変態おっさんに襲われたことじゃないんだ。
助けられた後が問題なんだ。
結論から言うと…