高3の3月、免許取り立ての俺は大学入学までの暇な時期に家の車を借りてばあちゃんの家に遊びに行った。
親父が6人兄弟の末っ子なもんだから、当時の時点でばあちゃんは90歳近くだったが中々アクティブで、
「せっかくだから孫太(俺)、ドライブ連れてってくれ」
とか言い出すので近くの花見スポットへ行くかー、とばあちゃんと連れ立って表へ出た。
すると、隣家(と言っても田舎だから数十メートル離れてる)の様子が何かおかしい。
やたらと犬が吠えてる。
ばあちゃんと2人で様子を見に行くと、玄関先で一目で妊婦とわかる女性がうずくまっていた。
慌てて駆け寄るとその人は隣家のお嫁さんで、出産予定日はまだ先なのに急に陣痛が始まってしまったらしく、たまたま隣家がお嫁さん以外は外出してしまっていて、ばあちゃん家に助けを求めようとどうにか家から這い出してきたと。
相当パニックになってて
「なんで、まだ早いのに、赤ちゃん死んじゃう」
って泣いてた。
ばあちゃん家も俺とばあちゃん以外は仕事やら何やらで居なくて誰も頼れんと、俺もパニックになりかけたけど
「孫太ぁ!お嫁さん病院に連れてくぞ!」
とばあちゃんに一喝されて我に返った。
そこで…