「何が冗談だ!!姉妹だったら助け合うのが当たり前!妹が高校行けなくて不幸になってもいいのか!この鬼!悪魔!女が一人で子供を育てるのがどんなに大変かふじこふじこ!」
と般若ののような顔で胸倉をつかんで叫びまくられ恐怖のあまり私硬直。
それまで沈黙を守っていた母がオバサンの腕をガシッと掴んでどうやったのか分からないが、合気道の様な技で腕をひねりあげた。
「私だって女手一つでこの子を立派に育て上げた。金がないなら働け。子供のために働くのが親だろ。親なら子供に誇れる生き方をしろ。娘を侮辱することは許さん!」
と、オバサンをねじ伏せながら淡々と説教をする母に惚れかけた。
オバサンは腕をねじられて「痛い痛い痛い!!これは暴力だ!傷害罪だ!訴える!」と泣き叫んでいたので多分説教は聞こえていない。
騒ぎをききつけた父実家の人が飛び出してきてオバサンを追っ払ってくれた。
母にあの合気道のようなものは何かと聞くと
「女だけで生きて行くには護身術も必要だと思って習っていた。いざという時に娘を守れる親になりたかったから。こんな所で役に立つとは思ってなかった」
という母の発言に号泣してしまいました。