とっさに、英語で答えてみたのだ。
「あーらこんにちは。今日もとってもホットね。日本の夏ってなんてファンキーなの?」
「ええ、ファンキーだわ。クレイジーとも言えるわね」
「あらありがとう、この子ね、柴犬なの。キュートでしょ?」
「ジャパニーズトラディションドッグ、とってもファンキーよね」
「ところで今日はどんな御用かしら。あなたのお名前を存じないんだけど…」
「私?私はキャサリン。みんなからはキャシーって呼ばれているわ」
「ママは日本人で、パパが日系アメリカ人なの。よろしくね」
「日本語できなくてごめんなさい。いま勉強中なの」
「日本語ってとってもファンキーよね。漢字が難しいわ」
「あ、ごめんなさい。もうすぐディナーなの。じゃあね、バーイ!」
とまくし立てた。
日本語でしゃべるとボソボソと大人しいのに、英語になると性格が変わるから不思議。
頭の中で海外ドラマが再生されてて、友近バリのテンションだった。自分でも不思議。
オッサンは呆然として、最後のバーイを聞く前に家の中へ逃げていった。
助かった。