飼い猫のこだま(当時13歳)だった。
こだまはもうお婆ちゃん猫でよぼよぼしてたので、
これは絶対噛まれる!と思い、何とか逃がそうとして叫んだ。
・・・が、こだまの方が早かった。
サササッとヘビの背後に回ると、フーッと唸る。
ヘビがこだまへ向いた途端猫パンチしてパッと下がる。
凄い動きに一瞬ポカーンとなったけど、こだまは婆ちゃん猫。
そんなの続く訳無いんで、飛び起きて武器になる物を探した。
とりあえず麦茶のポットを掴んで振り向くと、
何とこだまが前足でヘビを押さえて頭に食いついていた。
そのままヘビとこだまが転げ回る。
苦しがったヘビがバンバン暴れ回り、こだまが跳ね飛ばされた。
そこへ私も乱入して弱ったヘビの尻尾を踏みつけ、
麦茶ポットが割れたくらい滅多打ちにしてトドメをさした。
その後警察を呼んで分かったんだけど、ヘビは本物のガラガラヘビだった。
多分、ヘビマニアの人がこっそり飼ってたのが逃げたんじゃないかと言ってた。
(飼い主は捕まらなかった)
毒もちゃんと持ってて、噛まれたら本当に危なかったらしい。
こだまがいなかったら死んでたかもしれない。
この後地元ではしばらくちょっとした騒ぎになった。
こだまも(メスだけど)しばらくヒーロー扱いで、近所の人が見に来たりした。
ただヘビを噛んだせいか右側の犬歯が上下とも折れてしまい、しばらくマグロの刺身とカルカン三昧の日になった。
それからもこだまは元気だったけど、一昨年の冬に老衰であっさり死んでしまった。
ガラガラヘビと一騎打ち出来るくらい強い猫なんで、きっと今頃あの世でも楽しく過ごしていると思う。