どこでもドアが欲しかった

貧乏な家に育った祖父はよくバカにされた。ある日米屋の息子に…

time 2016/11/20

貧乏な家に育った祖父はよくバカにされた。ある日米屋の息子に…
今年米寿を迎えた祖父の、十歳頃の武勇伝。 
 
貧しい家で育った祖父は、同い年の中では小柄で細く、よく馬鹿にされたらしい。 
ある日、米屋の息子に
「お前がそんなに小さいのは食べないからだ。この米俵を持って帰れたら、くれてやるよ」
からかわれた。
自分の体重より大分重い米俵など、持ち上げることすら出来ないと思ったのだろう。 
 
頭にきた祖父は、農作業の手伝いで鍛えた体で米俵を担ぎ上げると、一度も地面に下ろすことなく立ち止まりもせずに、 およそ二キロ先の家まで持って帰った。

慌てた米屋の息子、父親に
「○○(祖父)に盗まれた」
と嘘をついた。
 
米屋がお供を連れて怒鳴り込んでくるも、祖父は
「お宅の息子との約束だ」
と突っぱねた。
 
米屋は「お前なんかが一人で担げる訳がないだろう、誰に手伝ってもらった? 父親か?」
と威嚇。
父親まで泥棒扱いされて再び頭にきた祖父は…
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