どこでもドアが欲しかった

一回り年上の嫁と結婚。幸せならそれで良いと思っていたが、ある日…

time 2016/11/20

一回り年上の嫁と結婚。幸せならそれで良いと思っていたが、ある日…

気分が悪くて早退したんだが、キャッキャキャッキャとはしゃぎながら
電話をしていた元嫁は俺の帰宅に気付かなかった。
そこで信じられないような話を聞いてしまった。
相手は男。甘えるように男の名を呼んでたから間違いない。
ぼんくら男(俺)を騙すのなんてチョロイ、
あいつ多額の預金を持ってるから、派遣なんてみみっちい仕事しなくて
これから楽に遊んで暮らせる、
少しずつ引き出して自分名義にすることだって簡単だ、
保険もそろそろ受け取り人を変えて貰わなきゃねw
って、そんな話を楽しそうにしてた。
次いつ会えるの?なんて話もしてた。

俺、頭の中が真っ白になって、音を立てないようにそのままマンションを出た。
急な出張だと嘘をついてビジホに泊まった。
自分のアホさに一晩中泣いた。
その後は憎しみが押し寄せてきた。
あいつにとって誤算だったのは、俺は確かにぼんくらだけど
執念深い部分もあることに気付かなかったことだな。

まずは徹底的に証拠集めをした。
昼間っからホテルに出入りする写真も撮れた。
俺の金で色んなもん貢いでたけど、調査の段階で相手の男にとって元嫁が遊び相手だってことも分かった。
ある日「保険の受取人を変更しなくていいの?」と言ってきた。
「あなたにもしもの事があるなんて考えたくないけど、やっぱり不安だしぃ」
なんて、白々しい芝居をしやがった。
今は忙しいから結婚一周年の時に記念に名義変更やらなんやかんや
色々考えてることあるんだ~って、こっちも芝居打ったら目を輝かせて喜んでた。

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