どこでもドアが欲しかった

大学に入った彼氏の人格が変わってしまった。→「こんなデブスと連れだと思われたくない」と皆の前でフラれた私は…

time 2016/11/20

大学に入った彼氏の人格が変わってしまった。→「こんなデブスと連れだと思われたくない」と皆の前でフラれた私は…

振られた男性に復習するためにものすごく自分磨きをして、再度言い寄ってきた男性を逆に振り返す女性の話があった。
これだ と思った。

まずは痩せるべきだと思いジムに通い始めた。
徹底的な食事管理をし、毎晩反復浴をして、さらに毎朝5キロランニングをした。
これで160㌢/53㌔から三ヶ月で45㌔まで落とした。

そしてメイクとファッションについて勉強をした。
服はユニクロかしまむらでザ・喪女のいでたちだったけど、cancamや美人百花といったおしゃれ雑誌を舐めるように読みまくって勉強した。
今まで足を踏み入れたことのないおしゃれ服屋に赴き、店員さんに相談しながら流行のおしゃれ服を買いあさった。

アクセサリーの合わせ方も勉強した。
メイクは初心者用の動画を見て勉強し、百貨店のBAさんに実際に色みを選んでもらい、それでもまだやり足りなかったのでメイクレッスンに通った。
ヘアアレンジも勉強した
この辺りでAと別れて半年くらい。
みるみる変わっていく私にAとアニ研のメンバー達はキョドりながらも
「なんか努力始めてんですけどwww」とヒソヒソしてた。
A達に遭遇する度に、復讐心はさらに燃え上がっていった。

メイクもおしゃれも覚えてきたあたりから、同じくおしゃれな女の子たちから声を掛けられることが多くなった。
もともと明るい性格だった私はすぐにお洒落女子たちと仲良くなった。
おしゃれ女子が大の苦手のA達アニ研メンバーは、その時点でもう私に何も言えなくなっていた。

この時点でかなりスーッとしてたんだけど、ふともっと高みを目指したくなった。

うちの学校は年度が変わるごと成績優良者を学年で一人選出し、全生徒の前で発表する。
そこそこお洒落女子に変貌し、しかも主席とか、さんざんからかったAはさぞ悔しいだろうなと思ったら火が付いた。

講義は毎回最前列でテープレコーダー持参で受け、帰宅してから毎日10時間近く勉強した。
結果、3年に上がる時には無事に主席の座をゲット。
Aのポカーン顔を見て胸がこれ以上ないくらいスーッとして、私の復讐は無事終わった。

余談だけど、この一連の復讐で私は
「がんばるって楽しい!」に目覚める。
毎オシャレ女子達に囲まれて美を切磋琢磨し、学問のライバルに負けないように予襲復讐を欠かさず、時にはライバルと苦手分野を教え合って学を深めた。
そうこうしているうちに、自分で言うのもなんだけど学内で結構な有名人になった。
友達もわんさかできた。
毎日が死ぬほど楽しくて楽しくて、Aのことなんかすっかり忘れていた頃にAから接触があった。
「また付き合ってやってもいいよ」とAは言った。

冷静にAを見ると、顔中ニキビもりもりの下膨れで眉毛はボーボー、髪は櫛も通してないのかごわごわだし服はシミだらけの謎のA字Tシャツ。
よくよく考えると高校の時のクールで一匹狼ってのはただ友だちがいないコミュ症なだけだった。
こんな男が好きだったんだなぁ…ラブフィルターって怖い…としみじみ思った私は
「なんで?」とだけ言って上から下までAを見た。
Aはいたたまれなくなったのかすぐにどっかに行ってしまった。

まとめサイトを見て同じ場面を何度も想像していて、もっと酷いことを言ってやる!って思ってたけど、本当にどうでもいい人間にはそんな感情もわかないものだなぁと思った。

(Visited 598 times, 1 visits today)

down

コメントする

シェアする

  • 人気記事

  • 最近の投稿

  • 最近のコメント

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • メタ情報

  •