姉が駅に勤めていた頃の先輩駅員の話。
勤め先の駅は新幹線や在来線の混在した大きな駅のため鉄ヲタも多く、中には残念ながらマナーの悪い人もいたらしい。
その中の一人に、若い駅員に難しい質問をして困惑する様を見て楽しむという、悪趣味な人がいた。
意地の悪いことに、若い女性駅員が窓口担当をしている&混んでいる時を狙い、わざわざ並んで嫌がらせをしてくる徹底ぶり。
ある時、新人の姉が窓口研修中にそのヲタが来た。
当然、混んでいる時間帯の若い女性駅員の窓口に
「○○(かなり遠い地方)に○時に着きたい、在来線を乗り継いで行きたいんだけど、乗り換え駅と時間と料金分かる?なるべくお金かからなくて乗り換えも少ないやり方で」
と、「どうせ分からないだろ」的な高圧的態度でいろいろと注文をつけた質問をしてきた。
機械で調べれば最安とか乗り換え最低限とかはすぐ出るんだろうけど、恐らくそれをしたら絶対に粗を探して嫌味を言うのが目に見えていたらしい。
しかし…
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先輩駅員は顔色一つ変えず
「少々お待ちください」
と言い、分厚い路線図?ダイヤ?の冊子をバン!と取り出した。
そしてヲタに路線図を見せながら
「○○駅○時着ならここを○時に出て○駅で○線○行きに乗り換え、乗り換え時間が○分しかないのでご注意ください。○駅からは○線○行き、○駅まで行ったら○線に乗り換えて…」
と、ものすごく的確に乗り換え案内をし始めた(私が書けないだけで、本当はもっと分かりやすい説明だったようです)
どうやらいちゃんもんの付けようもない完璧なルートだったらしく、途中からヲタは不機嫌そうにむくれ、路線図すら見ずに不貞腐れてしまった。
先輩駅員は
「お客様、聞いてますか?聞いてませんね。では途中ですが案内を辞めさせていただきます。次にお待ちの方、こちらへどうぞー」
と、冊子をバタンと閉じてすごくにこやかにヲタを追い出した。
嫌がらせ目当てだったヲタは苦々しげに去っていったそうです。
プロを敵にするって怖いな…と思った、駅員さん(鉄ヲタ上がり)の武勇伝でした。