冷静に運転しなきゃとこれまで感情を抑えてたようだが、開けた道に来て爆発したらしく、修羅のような顔をしていた。
言われた奴は、冗談だろ、と半笑いだったが、彼女は一度言い出したら聞かない頑固な性格だと俺は嫌というほど知っていったので、そいつを蹴り出し、荷物も放り出した。
彼女は一瞬のためらいも見せず車を発進。
文字通り街頭もなにもない山道にそいつを放り出した。
その後家につくまでに同乗者の携帯の着信が鳴ったが、彼女の迫力が怖すぎてみんな慌てて電源を切っていた。
その後、実家についた彼女は元通りだったが、暫くしてどうにかこうにか、彼女の珍しい苗字を手がかりに彼女の実家にたどり着いた男を前に、また修羅の顔。
実家の隣にある牛小屋に男を叩き込んで戸締まりしていた。