どこでもドアが欲しかった

イジメられている俺を助けてくれた奴は超がつくほどのオタクだった…

time 2016/11/20

イジメられている俺を助けてくれた奴は超がつくほどのオタクだった…

オタ男は俺を見ると超ハイテンションで
「血、出てる。血!唇のとこ。かっけー、俺かっけー。写メ、写メ撮って。
こう、手の甲でぐいっと血を拭う姿とか。うはっ、たまらん。ウヒャヒャヒャヒャ!
なにこれかっけー!萌えるー!」

それからもオタ男は俺が絡まれる度に変なセリフを言いながら庇ってくれた。
どんどんエスカレートするオタ男のテンションにいじめ側はドン引きし、いじめは次第に少なくなり、やがて完全に無くなった。
本人に自覚はないが、俺の人生を救ってくれた立派な武勇伝だと思う。

俺と知り合った頃がオタ男の絶頂期だったらしく、進学・就職を経てちょっとおとなしくなった。
もともと見た目はオタクっぽくないので、会社では普通に振る舞ってるらしい。
二つの顔を使い分ける俺萌え、と自分で言っている。
俺は高校の連中と顔を合わせたくないので、他県の大学に行ってそのまま就職して、地元には一度も帰ってない。
オタ男とも会ってはいないが、メールや電話はたまにする。
最近はヒーロー系のアニメ声ではなくクール系にはまっているらしく、やたら渋い声で電話に出る。
高校の頃のことをどう思ってるか聞いたら、すっげー楽しかったと言っていた。

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