心根の優しい弟のことです。折れるんだろうなぁと思ったのも束の間、弟が突然嫁の胸倉を掴み
「おい、兄貴を馬鹿にするんじゃねえ!」
と叫びだした。
今まで怒ったとこなんか見たことのない弟のマジギレだった。
親族一同静まり返る。嫁、震える。
私、26にもなってちょっとチビる。
弟は続ける。
「今まで何も言わなかったけどな、俺が今銀行員を出来ているのは、全部兄貴のおかげなんだよ。
兄貴がお前の方が出来が良いからお前は大学に行けって。自分は進学しないで、ずっと足を棒にして
働いて!兄貴は言うなって言ってたけど、大学でてすぐ挙げたお前との結婚式の費用だって
兄貴がかなりお金をだしてくれたから出来た事なんだ!それを何だよお前は。結婚式の時の祝儀が
少なかったっていうのをいつまでも根に持って!本当は一番出してるのは兄貴なんだよ。
大体ずっと前から年収で人を判断するなって言ってるだろう!兄貴は俺が知っている中で
一番立派な人間で、一番大切な家族なんだよ!今後同じような行動を取ったら、これにサインしてもらうからな」
そういって懐から緑の紙をチラッと嫁に見せた。
嫁は震えながら外に出て行った。多分弟に怒られたことなんて無かったのだろう。
私も初めて怒ったのを見ました。
親族も驚いていました。
その後、弟が「兄貴、今まで何のフォローもしなくて悪かった。俺は誰になんと言われようと
兄貴にはものすごく感謝しているから。許してくれ」と言った。
私は「そもそも怒ってないから気にするな」
と弟にびびりながら言った。
先の弟が話した内容は親以外誰も知らなかったので、その後はその話題で持ちきりでした。
弁護士の叔父が調子付き、テキーラを持ってきて私に注ぎだしたところまでは覚えております。
目を覚ますと、自室のベッドで眠っていました。
何気なく携帯を見ると今朝、弟の嫁から長々と謝罪文が送られてきておりました。
おそらく弟に強要されたのでしょう。文章からなんとなく嫌々感が出てました。
私は二日酔いの頭で出社の準備をすると
営業ロープレを終わらせ、契約を取らなければ帰れないスタンスの
会社なのでストックしてある契約を1つ自分用、
1つ上司用として提出すると早退扱いじゃなく帰宅を許されたので
本日は午後一で帰宅いたしました。
足を棒にして働いていると思っている
弟にこんな姿は見せられないな。と思った今日の午後でした。