私と義母、鯛も伊勢海老も捌けない。手の付けられない魚介を前に呆然としていると、早番だった小姑が帰宅。
台所の惨状を見て唖然。
小姑、義母が買ってきたものと思い、
「何で捌けないのに買ってきちゃったの?」
と義母に尋ねると、義弟嫁が
「ちゃんとできてたのに!」
と泣き出してしまった。
聞けば魚・伊勢海老を捌いたことは無く、ユーチューブで捌き方を見ただけだった。
ワンワン泣き出す義弟嫁に、みんな泣きたいのはこっちだよ…どうすんのこの魚…と肩を落としていると、小姑が義弟嫁に尋ねた。
「これ、どうするつもりだったんですか?」
義弟嫁、泣きじゃくりながら
「かっこよく捌いて、みんなに褒めてもらおうってぇ…」
「じゃなくて、どうしたかったんですか?お刺身とか焼き物とか」
と、小姑が聞きなおすと、わかんないと言ってまた泣き出してしまった。
それを見て、小姑が一言
「じゃあ、好きにしちゃいますね」と。
棒立ちになってる家族に次々と指示をする小姑
「弟、鯛の入ってた発泡スチロール、まだ捨ててないよね?鱗よけにするするから持ってきて。兄、ウチの分じゃ足りないから、そこのコンビニで氷買ってきて。 父さん、タライと、居間の戸棚から一番大きい平皿取ってきて。母さん、魚焼く網と大きな鍋出しといて。 兄嫁(私)さんは、弟嫁さんを床の間に持ってったら、すいませんけど台所手伝ってください」