そこからは、まさに華麗な立ち振る舞いだった。
どこからともなく(後で知ったが小姑の仕事カバンから)長めの出刃包丁が出たかと思ったら、あっという間に鯛を血抜き→鱗取り→三枚卸→鯛の尾頭付き御作り
タライの氷水に伊勢海老投下→いとも簡単に兜割り(やらせてもらったらすごく硬かった。コツが要るらしい)、または尻尾分離→伊勢海老の半身焼きと伊勢海老の御作り
鯛の骨と伊勢海老の頭で出汁とって味噌汁まで出来上がった。
小姑、スーパーの社員ではあるんだけど、本社で鮮魚部門の指導員?をやってるそうで。そりゃ上手いはずだ。
颯爽と捌き、みんなが刺身を食べてるなかこっそり中座して、ストイックに包丁研ぎを始めた小姑の背中はたまらなく格好よかった。
美味しいところを持ってかれた?義弟嫁はしばらくむくれてたんだけど
「そんな背伸びしなくても、義弟にはもったいない嫁さんなのにねぇ」
という小姑の言葉に号泣。
義弟の希望での義弟嫁専業だったんだけど、それがコンプレックスで、生意気なことばかり言ってしまった、と小姑や私たちに謝罪した。
今では小姑も結婚し、釣り好きな旦那さんの為に、毎週末その腕を振るっている。