中学の頃。
wikiの凄惨な事件を見ては、
「わかる!彼らは負け組が思い描く、社会への復讐の体現者だ!」
と感銘を受けてる奴がいた。
負け組の基準が分からないし、そいつが何の劣等感からそんなに犯人達を尊敬するのか謎だが、日に日にそいつはそういった事件や作品にのめり込んでいくようになる。
そんな劣等感も負け犬という自覚もない俺を、そいつは「同志」と言って絡んでくるようになった。
何かいきなり
「これは名作だ。これほど素晴らしい犯人はいない」
とセブンのDVDもらったり、尊敬する犯罪者理論を延々語られたりした。
ちょっと面白いので放っておいたんだが、中3の受験期になって、あまり相手してやれなくなってから少し過激になっていた。
何かよく分からん絵を書き始めるし、支離滅裂な言葉を呟いたり、ナイフ持ち歩いてニヤニヤしてるし、ライターの火を見てボーッとしてるなど。
それがクラスの調子乗ってる不良まがいの連中に目をつけられバカにされるようになった。
「虫の一匹も●せないくせに粋がってんな」
と頭をはたかれた時プルプル震えていた。
すぐ止めたけどそいつは
「やってやるよ、やりゃあいいんだろ」
とブツブツ言っていた。
いつも持ち歩いてるナイフでそいつら刺すんじゃないかと心配だったが、そのまま本人は俯いて寝てしまったので見張ってるだけにした。
その後は何もなく放課後帰って行ったので安心して帰路についたら、俺の家の近所にある公園で猫を●そうとしてやがった。
押さえつけてナイフをペタペタ猫にくっつけていた。
止めようとしたら他の公園にいたおっさんが怒鳴り、驚いているスキに猫は逃げて行った。
自分より弱くて全く無関係なものに当たるのも腹経つが、そいつが抑えていたのがうちの猫だったというのも頭に来た。
そいつは、オッさんに怒鳴られて慌てて逃げ帰った。
しかし、うちの猫を刺そうとしたことには腹が立ったので…