どこでもドアが欲しかった

父が他界して母と姉妹3人で暮らしていた。ある日、クリスマス会でプレゼント交換することになったんだけど貧乏なうちは…

time 2016/11/22

父が他界して母と姉妹3人で暮らしていた。ある日、クリスマス会でプレゼント交換することになったんだけど貧乏なうちは…

私が小学校入るまえに父が他界し、母と姉妹3人で暮らしていた。
母パートで当時は母子の手当ても今よりあったことから貧しいながらなんとか暮らしていけてた。

ある日子供会のクリスマス会でプレゼント交換のイベントがあった。
各子供500円までのプレゼントを持ち寄り、それを音楽に合わせて回して交換するってどこにでもあるような催しモノだったんだけど、私の家は上記通り貧乏で、500円のプレゼントを3個は厳しかった。
そこで、母が家にある物を見繕ってくれそれを持っていった。

中身は、賞味期限間近の饅頭と鉛筆3本だった。
それを広告紙で包んで持っていった。

公民館に着きケーキを食べ催しが始まった。
みんなはプレゼントをバックから出してそれを持ち輪になったんだけど、私たち姉妹だけ広告紙。
他のみんなは大きくて綺麗な包み紙に梱包され中には大きな箱を持った男の子もいたり、とても場違いな空気に私たちはオロオロしていた。


音楽が掛かりプレゼントが回っていく私達のプレゼントが半周したところで音楽が止んだ。

「ええーーー!!なにこれーー!!」って広告紙のプレゼントを嫌そうに見つめる男の子。
大きな箱は私の手元にあり、気まずい空気。
広告紙を破って中身を確認しようとする男の子。

私は次の瞬間…

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