俺が結婚したのは春で、ほんの2ヶ月後に会社の納涼会があった。
その場で絡まれまくった上、
「よっしゃ二次会は(俺)の家だー!」
「自慢の嫁さん見せてもらうぞー!」
「ウォー!!」の大合唱。
さすがに浮かれ新婚モードの俺でも、夜22時過ぎに酔っぱらいを12人連れて
アパートに帰っちゃならねえことくらいはわかる。
最初は「も~悪い冗談やめてくださいよ~」とかわそうとしたが
皆ニヤニヤニヤニヤして
「自慢したいんだろ?見せろよ」
「実物はどんなのかな楽しみだなぁ~」
と全く引く様子がない。
見るに見かねたか、係長と女将が裏口から逃がしてくれて事なきを得たが
助けがなかったらどれだけ粘られたかわからない。
結果的に修羅場にはならずに済んだが、
結婚前気団板等でイメトレし2ch脳になっていた俺は
「ここで押し負けたら嫁が実家に帰ってしまうかも!」
と一人で精神的修羅場だった。
以後俺は職場でのろけるのを一切やめ、適当に愚痴をでっちあげるようにした。
ダセエと思っていた嫁の悪口が必要悪というか
一種の潤滑油であったと身に染みて知り、一つ大人になった気がした。