どこでもドアが欲しかった

俺と嫁は互いの両親とそりが合わない。しかし、嫁はしょっちゅう自分の両親を自宅に呼ぶ。ある日とうとう…

time 2016/11/24

俺と嫁は互いの両親とそりが合わない。しかし、嫁はしょっちゅう自分の両親を自宅に呼ぶ。ある日とうとう…

俺と嫁は互いの両親が気に入らない同士。 
親と離れて東京のマンションで暮らしていたが、 
ことあるごとに嫁が部屋に親を呼ぶ。 
しかも召還された嫁父母は嫁とつるんでスシや焼肉を喰いたがる。 
そして俺のことを家事を手伝わない関白亭主と言って盛り上がる。 
断っておくが皿洗いや掃除程度は俺もやっている。 
しかし嫁子は専業主婦じゃんとか突っ込もうものなら 
「九州男児は石頭で始末に終えんわー」などと袋叩き。

 さらに俺が両親を呼んでいいかと言うと
「いやよ、お義母さんそりが合わないし」と一蹴。
「俺だってそっちの親はニガテだ」と言ったところ
そのままクルッポーして後日トリオで嫌味を言われるハメに。

このような生活が三年ほど続き、完全に慣れてしまった。
よくキレなかったものだと思うが、結婚にはこういう悩みもつきものだろう
なんて勝手に納得していた。

そりゃおかしい、エネ妻だ
と指摘されてスレを紹介されたのが一月前のこと。

マヒしきっていた感覚を今一度清算し、
「水曜にまた来るから」という嫁に
「イヤだ。お前の親は不愉快だ」と直言した。
数秒の思考停止のち、嫁激怒。
電話で親を呼び出そうとしたので、受話器をひったくって
「呼ぶなっつってんだろーー!!」
と大声で怒鳴ってしまった。
嫁は無音で泣き出し、その場はそれで終わった。

案の定、いつの間に連絡したのか水曜に嫁父母来訪。
最初からキレまくっており、合鍵で入ってくるなり正座を要求された。

「なんですか?入らないで下さい」「やかましい!」
などと軽い前哨戦ののち、そこに坐れと命令された。
頑として断り続けたところ、嫁父が掴みかかってきて
力づくで俺を土下座させようとした・・・。
嫁父は現役大工で、相当なパワー。
大苦戦してもみあっていると、なんと嫁母まで参加。
2人相手であえなく土下座させられる俺の上に
嫁の「お父さん、がんばれ〜w!」という嬉しそうな声援が降り注いだ。

その時…

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