うちは多くの土地と、ある程度の発言力を持った富裕農家、地元では良く豪農と揶揄される。
家名を大事にする家柄で世間体と言うものも相当に気にする。まあ典型的な自惚れが過ぎた自称名家。
自分はそのせいで幼い頃から生け花、茶道、習字、琴などの家庭教師を充てがわれ、同年代の子と遊ぶことすら阻まれて過ごしてきた。
身に付いて良かったと思う技能もあると今では実感出来るけれども幼い頃は窮屈でしょうがなかった。
そんな息苦しい家庭環境の中で叔父と過ごす時間は唯一の楽しみだった。
叔父は科学者で植物学、地質学、天文学など専門外の知識にも明るく、わからないことはなんでも答えてくれる博識な人だった。
一方でエキセントリックな面も多分にあり、教授の論文を真っ向から否定し、ドロップキックを浴びせ学会から追放されたこともある。
肩書きや家柄などの俗物と言われるものに執着しないボヘミアンな叔父に自分は憧れていた。
小学3年生の夏休み。家出したいと叔父に言ったら叔父は自分を連れ出してくれた。
蔵から古米と塩、醤油、薪を掠め取り、リヤカーに乗せ裏山に向かった。
秘密基地を作って、ザリガニ、カエル、川魚や山菜を取って食べたりした。
崩落ジコでタヒんだ狸を解剖してタヒ因を探ったり、夜には星を眺めて天文学を教えてくれた。
そんな家出生活が3週間過ぎた頃についに母に見つかった。前日に教えてもらって上げた狼煙が原因だった。
家に戻らされるとまず母は自分にビ×タをして説教した。散々説教した後、次の標的は叔父だった。
ヒステリックに叫び、たまに頭を叩いたりしていた。良く覚えていないが、家名に傷を~とか子に悪影響が~とか言っていた気がする。
そんな母を尻目に叔父は小指で耳掃除しながらノホホンとしていた。
あらかた叫び散らして疲れている母を横目に、叔父は父に向かって
「こんな癇癪持ち捕まされて兄さんも大変だな」
と言って小指についた耳垢を母に吹きかけた。
それがいけなかった…
うちは多くの土地と、ある程度の発言力を持った富裕農家、地元では良く豪農と揶揄される。
家名を大事にする家柄で世間体と言うものも相当に気にする。まあ典型的な自惚れが過ぎた自称名家。
自分はそのせいで幼い頃から生け花、茶道、習字、琴などの家庭教師を充てがわれ、同年代の子と遊ぶことすら阻まれて過ごしてきた。
身に付いて良かったと思う技能もあると今では実感出来るけれども幼い頃は窮屈でしょうがなかった。
そんな息苦しい家庭環境の中で叔父と過ごす時間は唯一の楽しみだった。
叔父は科学者で植物学、地質学、天文学など専門外の知識にも明るく、わからないことはなんでも答えてくれる博識な人だった。
一方でエキセントリックな面も多分にあり、教授の論文を真っ向から否定し、ドロップキックを浴びせ学会から追放されたこともある。
肩書きや家柄などの俗物と言われるものに執着しないボヘミアンな叔父に自分は憧れていた。
小学3年生の夏休み。家出したいと叔父に言ったら叔父は自分を連れ出してくれた。
蔵から古米と塩、醤油、薪を掠め取り、リヤカーに乗せ裏山に向かった。
秘密基地を作って、ザリガニ、カエル、川魚や山菜を取って食べたりした。
崩落ジコでタヒんだ狸を解剖してタヒ因を探ったり、夜には星を眺めて天文学を教えてくれた。
そんな家出生活が3週間過ぎた頃についに母に見つかった。前日に教えてもらって上げた狼煙が原因だった。
家に戻らされるとまず母は自分にビ×タをして説教した。散々説教した後、次の標的は叔父だった。
ヒステリックに叫び、たまに頭を叩いたりしていた。良く覚えていないが、家名に傷を~とか子に悪影響が~とか言っていた気がする。
そんな母を尻目に叔父は小指で耳掃除しながらノホホンとしていた。
あらかた叫び散らして疲れている母を横目に、叔父は父に向かって
「こんな癇癪持ち捕まされて兄さんも大変だな」
と言って小指についた耳垢を母に吹きかけた。
それがいけなかった…
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