台所で考えること30秒、(Aとは本当にただのルームメイトということにしよう)と
今考えても少々無理のある作戦に打って出ようと思ったのですが、
なんといってもAがあんな調子なので、多分無理だろうなぁ、浮気した罰が当たったのかなぁ、
などと思ってひとり苦笑いをしていました。
それにしてもなぜAがBをここへ連れてきたのか、
僕には本当に全く理解ができませんでした。
3人分のコーヒーをもって2人のいる部屋に戻ると、
AとBは僕のベッドに腰掛けて黙っていました。
僕はコーヒーを置いてイスに腰掛けます。
Bが口を開きました。
「とにかく、説明してもらっていいかな。」
とりあえず、ぶんナグられそうな感じではありませんでした。
そんな空気をAが一気にぶち壊します。
「お願い、別れてくれない?私、この人が好きなの。」
あはは、この人というのはどうやら僕のことみたいでした。
Aのメンヘルトークは続きます。(多分このときAは俺に婚約者がいることを失念している)
「本当なら、このままBが帰るまで騙し通すことは出来たのだけど、
それじゃなんにもならない。私にもBにもOO(俺)にもなにひとつ意味がないわ。
お願い、落ち着いてきいて。
私は今はこのOOが好きで、将来は彼と結婚したいと思っているの。
彼とはこの8ヶ月、様々な体験を共有して、色々な面でお互いをわかりあったわ。
多分、こんなに気のあう人なんてもう一生めぐり合うことはないと思う。
あなたには本当に悪いと思うわ、でも、お願い、許して。」
とAが言い終わらないうちに、Aの頬にBの拳が飛びます。
てゆーか、俺としてはこの場から消え去りたくてしょうがなかったのですが、
やっぱりそんなムシのいい話があるはずもなく、
Bの巨体が俺の上にのしかかってきて、あとはもうただひたすらにタコナグり
ロシア語とドイツ語で罵倒しながらばんばん容赦なく拳を振り下ろしてきました。
僕の人生において「ヤープス」と言われたのは、あとにもさきにもこれっきりです。
翌日、気がつくとBの姿はなく、
僕はボロボロの姿のまま着替えもせずに医者にいきました。
出血のほかには鼻骨骨折しかしなかったのは、奇跡に違いないと今でも思っています。
どうやらBは次の日に傷心帰国、そして僕は4ヶ月後に傷身帰国。
帰国までの間、僕はこんなメンヘラに関わってられるかと思い、Aとは縁を切りました。
部屋から叩き出してあとはもう完全シカト。結局Aとはそれっきりです。
あと、面白いことに、俺が日本に帰国した時、僕の婚約者はなぜか妊娠4ヶ月でした\(^o^)/